ひな祭りの言い伝え「毎年飾らないと目がつぶれる」?気をつけたい失明に至る眼病
3月3日はひな祭りです。女の子の健やかな成長を祈る節句で、ひな人形を飾り桃の花を飾ります。毎年飾られるひな人形には様々な言い伝えや迷信があります。
「ひな人形をしまうのが遅いとお嫁に行き遅れる」「飾り忘れると目がつぶれる」「目がつぶれる」~見えなくなる、というのですから穏やかではありません。どんな理由でこういわれるようになったのでしょうか?
目は大切なもの
ひな人形は、もともと健康長寿や厄除けを願って「かわいいわが子の代わりに厄を引き受けてもらう」厄払いとしての役割を担っていました。人形(ヒトカタ)として人間の代わりとしてみていたのです。
目のあるもの(人形)には「魂が宿る」と考えられていました。「ひな人形を出し忘れると目がつぶれる」というのは、「目のあるものは、日の光を当てないでいると目がつぶれる」と迷信や言い伝えでよく言われてきたことです。
日にあてないと、というのは「目」は光がなくては見ることができないからです。暗いところにしまい込んでいては物を見ることがかわない、ひいては目が見えなくなってしまうということですね。
昔の人にとって(今ももちろんそうですが)目はそれほど大切なものだったのです。
きちんと飾ったり、遊んであげないといけない、気にかけてあげないと人形がかわいそう…そんな意図から伝えられてきたことのようですね。わが子を思う親心や身近にあるものを大切に扱う気持ちの表れとしての「目がつぶれる」だったのですね。
それに現実問題としてひな人形は、布が使われ湿気や虫に弱いので毎年飾って風通し(虫干し)をしてあげるのがよさそうです。 似たような言い伝えで「ごはんを残すと目がつぶれる」この言い伝えを聞いたことがある人は多いのではないでしょうか。
これは、それだけお米が大切でありやはり「目」がそれだけ大切で重要だったということです。
目がつぶれる(失明)眼病
では「目がつぶれる」病気にはどのようなものがあるのでしょうか。失明する人は医学の進歩によって減ってきています。ですが、社会の高齢化によって失明者は毎年2万人ずつ増えているのです。
急増しているのは、緑内障、黄斑変性症、糖尿病網膜症といった病気です。
緑内障
緑内障は、視神経に障害が起こり視野が狭くなっていく病気です。40歳以上の約20人にひとりが緑内障と考えられています。多くの緑内障は非常にゆっくりと進行するために、視野が欠けていることに気がつきにくいのです。
緑内障を引き起こすのは房水のとどこおりであり、そのバランスがくずれることによって異常が起こるのです。一度傷ついた視神経や欠けた視野は元に戻らないのです。
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黄斑変性症
ここ十数年65歳以上の人に急増しているのが加齢黄斑変性症です。老化によって網膜の中心にある黄斑部の働きが悪くなる病気です。視力の中心(黄斑部)に障害がおきて、モノが歪んで見えます。原因やがはっきりとわかっていない病気ですが、いくつかのリスク因子があげられています。
治療法はまだ確立されていません。レーザー治療が行われる場合があります。
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網膜剥離
この病気から失明を連想する人は多く、治療が遅れると深刻な視力障害につながります。日本では1万人から1万5000人にひとりの割合で起こるといわれます。すべての年代でおきますが、10~20代と50~60代に発症のピークがあります。網膜の一部に孔ができて網膜がはがれていく、これが「孔原性網膜剥離」で、ふつう網膜剥離と呼ばれているものです。
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眼底出血
高血圧や動脈硬化の人は「眼底出血(網膜血管病変)」に注意が必要です。
糖尿病網膜症
糖尿病の合併症のひとつで失明原因のトップといえます。血管の異常から引き起こされます。目の内部には無数の血管が通っていますが糖尿病によりインスリンの制御ができなくなります。
十分な血流が確保できずに、突発的に目の内部に「新生血管」と呼ばれる血管が作られます。ですが、急ごしらえの血管は機能せず かえって血流が減少したり、もろいために血液が網膜にあふれてしまうのです。
さいごに
ひな祭りに秘められた「目」の大切さ。
見えることのありがたさに感謝します。失明の危険のある病気はいずれも自覚症状がわかりにくいことが多いのです。
症状を遅らせる治療もありますから、早期発見のために定期健診を受けましょう。
これは、わが家のひな人形は土雛です。毎年しっかり飾って愛らしい姿を愛でています。
お読みいただきありがとうございます。
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参考 目の病気の最新治療/主婦の友社 http://www.gokinjyo.jp/hinamaturi/05-yearly.html