わたしのメガネと目のブログ

メガネと目の健康について書いたブログです。メガネ歴40年の読書と図書館と公園と空の雲が好きな50代です。視力が落ち始めた中学生の頃、目が見えなくなったらどうしよう…と不安に駆られました。視力は強度近視で0.1ありませんが、ちゃんと見えてこの歳まできました。あれこれ目の病気や疲れが気になります。知らないことが不安になるので、色々と目のことを調べてみようと思いました。

日本の部活動はサングラス禁止!世界の子供たちの紫外線対策は

「サングラス」を禁止する甲子園の時代錯誤 忘れ去られる子どもの健康(プレジデントオンライン2017/8/4)。

真夏の風物詩ともいえる日本の甲子園が始まりました。ネット上で話題になった記事です

炎天下で何時間にも渡って行われる競技にもかかわらず、高校球児はサングラスの使用が認められていないのです。

紫外線の身体に及ぼす様々な影響が知られるようになりましたが、こと部活動において紫外線対策は全くといっていいほどとられていないのが現状のようです。

日本と世界に状況をご紹介します。

話題の記事「サングラス"を禁止する甲子園の時代錯誤」

[blogcard url="http://president.jp/articles/-/22758"]

この記事が甲子園がはじまった8月7日、話題になっていました。

以下のtwitterは眼鏡スタイリストの藤裕美さん。

藤さんの著書『眼鏡を買いに』の記事

日本の子どもたちは、屋外で運動する時に驚くほど紫外線対策をしていません。

記事の中で、

  • 運動会などでもハチマキで帽子すらかぶらないこともある
  • 部活動でも中学校の部活動(屋外競技)でサングラスの使用許可を取ろうとすると診断書が必要。自分だけがしていると目立ってかけにくくなる。部活への意欲も低下する
  • 日焼け止めは化粧品で、サングラスはオシャレ?健康を守ることとオシャレ、どっちが大切か

熱戦のはじまった甲子園の球児たちもサングラスをかけることはありません。

 

日本高等学校野球連盟「高校野球用具の使用制限」(平成22年3月3日)には、

15.サングラスの着用 サングラスを使用する可能性のある時は、試合前(メンバー交換時)に主催者・審判員に申し出て許可を得たものの使用を認めることとする。メガネ枠は黒、紺またはグレーなどとし、メーカー名はメガネ枠の本来の幅以内とする。グラスの眉間部分へのメーカー名もメガネ枠の本来の幅以内とする。また、著しく反射するサングラスの使用は認めない。

と書かれています。

世界保健機構(WHO)は、

「子どもは紫外線による健康被害を受けやすい」と警鐘を鳴らし、帽子や日焼け止め、サングラスの使用を呼び掛けている。特に学校の役割に注目しており、「子どもを紫外線から守るうえで学校が担う役割は決定的に重要」

と強調しています。

にもかかわらず日本の現状はこれに準じているとはいいがたいものです。

紫外線の影響を受けやすい子どもたち

紫外線 野球

子供たちは長年紫外線を浴び続けることで目にダメージを与えています。

大学生の4人中3人に「瞼裂斑(けんれつはん)」という白目の部分が盛り上がってくる病気が見つかりました。

瞼裂斑のいちばんの原因は紫外線を浴び続けることです。

屋外で活動する運動部の学生は屋内の部活の運動部の学生よりも3倍も多いという結果でした。

というのも屋外の運動部の学生の多くは、子供の頃、中学や高校でも同じ屋外の部活を続けています。

より多くの紫外線を浴びてきたことから、強い瞼裂斑が多いと考えられています。

これは、金沢医科大学(佐々木教授の研究グループ)が2016年12月から2017年1月にかけて、金沢市内の大学の運動部の学生223人を対象に、特殊な専門機器で目の検診を行いました。

子どもの目と紫外線についてはこちらで詳しく。

[blogcard url="http://eye88eye.com/shigaisen-gakusei-bukatu-2707"]

 

日本の部活動の現状

ボール

冒頭の記事中では市の教育委員会に直訴して、テニスの部活で目が充血してしまった子どもにサングラスをかけさせる許可を得ました。

医師の診断書が必要、と言われたそうです。

日本の部活動では子どもの健康を第一に考えていない学校が多い、と指摘しています。(参考:『ブラック部活動』内田良/東洋館出版社)

では、なぜ学校側は子供たちに日焼け止めやサングラスをすることを奨励しないのでしょうか。

名古屋大学大学院准教授の内田さんは、原因は「オシャレ」ではないか、とみているようです。

日焼け止めは一種の化粧品であり、サングラスはファッション

教育の場にはふさわしくない、というのです。

運動部ごとの瞼裂斑の割合、子どもの紫外線対策、子どものサングラス選びのポイント

浴びた紫外線の量は蓄積していきます。やはり子供の頃から紫外線対策をするべきです。

世界の子どもの紫外線対策

紫外線 子ども

真っ先に浮かぶのがオーストラリアです。

紫外線予報を出しており、その日の行動を決める参考にできるようにしています。

幼稚園・小学校の子どもは「No Hat, No Play(ノーハット、ノープレイ)」といって帽子をかぶらない子は外で遊ばせてもらえません。

幼稚園の外遊びの前には必ず日焼け止めを塗り直し、帽子をかぶっているか先生たちがチェックします。

小学生は日焼け止めをカバンにぶら下げている子どもが多くこまめに塗りなおしているようです。 紫外線予防の標語があります。

Slip, Slop, Slap, Wrap (スリップ スロップ スラップ ラップ) 長そでのシャツを着よう! (Slip on a long sleeved shirt!) 日焼け止めを塗ろう! (Slop on some sunblock!) 帽子をかぶろう! (Slap on a hat that will shade your neck!) サングラスをかけよう! (Wrap on some sunglasses!)  

サンスマートプログラム(在日オーストラリア大使館HPより)

オーストラリアは皮膚ガンの患者数が多く、1980年代から国をあげて紫外線予防の対策に取り組んでいます。

子供に対しても徹底して対策が取られており、日焼け止めと帽子は必需品です。子ども用のサングラスも種類が豊富だといいます。

オーストラリアには政府や民間機関が積極的に日焼け防止を教えるプログラムを実施しています。

具体的な活動としては、

  • 日焼け防止を教えるプログラムの実施、さまざまな紫外線防御のためのガイドライン(子供向け、親向けなど)の作成
  • 紫外線と皮膚がんの関係を紹介するパンフレット・小冊子の発行
  • 各種紫外線防御グッズ(帽子、サングラス・ゴーグル、衣類、日焼け止め)の販売
  • サングラスについてはオーストラリア放射線研究所が紫外線カットの性能評価をおこない、不良製品の防止に努めている

同様のプログラムはアメリカ(sun wise)、カナダ、フランス、イギリスなど多くの国で行われています。

参考:紫外線対策マニュアル/環境省2015

↓↓カナダ・北アイルランド・オーストラリア・フランス・アメリカの紫外線対策はこちらから

[blogcard url="https://www.shigaisen.com/uv-gaikoku"]

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紫外線が目と身体に与える影響

紫外線

紫外線の皮膚への影響は、太陽にあたってすぐにみられる急性傷害と、長年にわたってわたり続けて現れる慢性傷害に分けて考えることができます。

急性障害

日焼け(サンバーン)

紫外線角膜炎(雪目)

強い紫外線にばく露したときに見られる急性の角膜炎症で、結膜(白目)の充血、異物感、流涙がみられ、ひどくなると強い眼痛を生じます。

雪面など特に紫外線の反射が強い場所で起きる「雪目(ゆきめ)」 が有名です。昼間に紫外線にばく露した場合、夜から深夜あるいは翌朝にかけて発症し、大部分は24~48時間で自然治癒します。

免疫機能低下

慢性障害

目の病気

目

白内障

白内障は眼科疾患の中で最も多い病気のひとつで、眼のなかでレンズの役割を担う水晶体が濁るため、網膜まで光が届かなくなり見え方の質が低下してきます。

初期には水晶体が硬くなるため老眼が進行し、濁りが強くなると視力が低下し、進行すると失明に至ります。

白内障は80以上のタイプがあるといわれていますが日本人で最も多く見られる皮質白内障というタイプでは、紫外線との関係が知られています。

治療は混濁した水晶体を眼内レンズと置換する手術が行われます。

白内障の危険因子

・加齢

・性別(女性>男性)

・喫煙

・紫外線(UV-B)

・糖尿病

・強度近視

・ステロイドなどの薬物

翼状片

眼球結膜(白目)が翼状に角膜(黒目)に侵入する線維性の増殖組織で、瞳孔近くまで進展すると視力障害をきたします。

通常は 30歳代以降に発症し、進行は早くありません。農業、漁業従事者など戸外での活動時間が長い人に多発し、紫外線ばく露を含めた外的刺激がその発症に関係すると考えられています。

治療は外科的な切除を行いますが、2~7%の人は再発し再手術が必要になります。

皮膚

  • シワ(菱形皮膚)
  • シミ・日光黒子
  • 良性腫瘍
  • 前がん症(日光角化症、悪性黒子)
  • 皮膚がん

さいごに

甲子園ではサングラス禁止!紫外線対策のない日本の部活動と世界の子供たちの紫外線対策

現代の子供たちは、幼い頃から多くの紫外線を浴びており、蓄積される紫外線の影響は何十年もたってから現れてくることがあります。

子供のうちから紫外線を浴びすぎないよう、帽子、衣類、サングラス、日焼け止めなどによる紫外線防御を心掛けることが大切です。

50代の私の子ども時代とは気候が大きく変化しています。

長時間の屋外の部活動は子どもたちに身体的に大きな負担を強いることになりかねません。

サングラスという陽ざしをさえぎる道具があります。ほかにも、さまざまな工夫で子供たちの健康を守りたいものです。

お読みいただきありがとうございます。

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参考 http://president.jp/articles/-/22758プレジデントオンライン https://www.env.go.jp/chemi/matsigaisen2015/full.pdf紫外線環境マニュアル2015環境省 https://www.shigaisen.com/kiyaku子どものための紫外線対策協会「紫外線,com」 http://president.jp/articles/-/22758 http://www.hellofromaus.com/entry/2017/02/05/オーストラリア