寄せ目ができない人は目が疲れやすい!疲れ目予防は1時間に1分目を閉じるだけ
子供の頃、寄せ目で変顔を作って遊んだことがある世代です。
2017年7月19日放送のNHK「ガッテン」で寄せ目ができない人は疲れ目になりやすい、を特集していました。
寄せ目ができない人は、なんと半数にのぼります。番組の概要をお知らせします。
ガッテン「疲れ目撃退!本当の原因解明SP」
同じように目を使っていても、疲れやすい人とそうでない人がいます。単に目の使い過ぎだけが原因ではないようです。その原因が目の構造にあります。
目が疲れやすい、と感じたらまず「寄せ目(寄り目)」ができるか確認してみましょう。
番組では街の人々に寄せ目をやってもらいます。60人中27人が寄せ目ができませんでした。
そして、寄せ目ができない人は一様に目が疲れやすい!
- 以前はできたのにできなくなった
- 寄せているつもりなのに寄らない
- 子供の頃はできたはず
寄せ目ができない人は、寄せ目ができる人にくらべて「夕方はっきり見えない、ピントがあいにくくなる」など圧倒的に目が疲れやすいといいます。
この寄せ目は診察でも行われる目のチェックです。
どうして寄せ目ができないの
寄せ目ができないのはなぜなのでしょうか。
目の筋肉の使い方?
年齢?
目や周辺が固くなってる?
寄せ目ができない人をMRIで撮影し調査しました。
寄せ目ができる人は、目を開けても閉じても目の向きはまっすぐを向いています。
寄せ目ができない人は、目を開けていると目はまっすぐ向いていますが、目を閉じると目の向きが外を向いていることがわかりました。
では、なぜ目を閉じると外向きなるのでしょう。
目を閉じると目を動かしている筋肉はリラックスして一番楽な方向に向いてしまうのです。それが目の本来の場所ということです。
目は常に見ようとして、懸命に眼球をコントロールしているのです。
近くのものを見ようとするとき、必ず寄せ目にする必要があります。
目が本来外向きの人は、まっすぐの人にくらべて、大きく目を内側に向ける必要があるために、目への負担が大きくなります。
「目を寄せる筋肉」と「目を寄せろと指令を送る脳」が疲れてひどい疲れ目になっているのです。
番組では、日本に1台しかない「両眼波面センサー」で、目が疲れて震える瞬間をうつしています。
目が外側に向いてしまうのはなぜ?
なんと昔、魚だった時には目が横についていたわけですが、そのなごりだといいます。
人となって目が前にきて、ものを立体的に見るようになります。
目はもともと外をむきやすい そういうタイプの目、個性だということです。
疲れやすい目を休ませる方法
そうした疲れ目を改善する方法は、老若男女問わず目を休ませること。
「1時間に1分 目を閉じる」
目は閉じることで筋肉や脳がリラックスして、閉じた目は一番楽な外側を向くことができるのです。
こまめに目を閉じて目の疲れをリセットすることを心がけることで重度の疲れ目を防ぐことができます。
目を閉じているだけでは改善しない疲れ目の人は?
プリズム眼鏡
光を屈折させることで楽に近くを見ることができる眼鏡です。斜視の専門医のいる眼科で処方箋をもらい、プリズム眼鏡を扱っている眼鏡店にもっていくと作ることができます。
プリズム眼鏡の処方は保険適用外ですが、通常の眼鏡料金に数千円プラスする程度で作ることができます。
斜視の手術
眼鏡によって矯正できない斜視の場合には、外側の筋肉(外眼筋)を緩めて眼球の方向をずらす手術もあります。手術時間は30分程度日帰りも可能です。
注意したい20代の急性内斜視
近年、若い人の間に目が内側にズレてしまう「急性内斜視」が急増しています。急性内斜視は5年間で1.7倍に増えてそのほとんどが20代以下の若者や子どもということです。
急性内斜視は近くを長時間見続けることで、目が内側を向いたままになってしまう眼病です。
中でも特に注意しなければいけないのが、画面を近くで見ることが多いスマートフォンです。
番組では20代の女性、18歳の男性がそれぞれ左目が内側にズレてしまったといいます。女性は1日10時間スマホをみていたといい、男性も1日5時間使っていたそうです。
モノが二重に見えたり、人と合って話す時に視線を合わせられなくなったといいます。
彼らは治療※によってりましたが、そうなる前に注意したいものです。
※筋肉を寄せようとする目の筋肉を緩める注射を打つ「急性内斜視のボツリヌス療法」(保険適用)
目が内側に寄って戻らなくなったら、斜視の専門医のいる眼科へかかりましょう。
こちらの日本弱視斜視学会で全国の専門医を紹介しています。
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スマートフォンを使う距離と時間
急性内斜視の患者を多く見てきた医師(兵庫医科大学の調査から)は、データを分析しスマホやゲーム機の使い方に注意をうながしています。
距離によって目を寄せる角度が異なります。
画面までの距離は目に近づくほど角度が大きくなります。
1mなら両目がものをみる角度は3.7度ですが、30cmで12.3度、20cmだと18.4度です。目をそれだけ酷使している状態ということです。
寄せ目力がわかるチェック法
[caption id="attachment_3531" align="alignnone" width="400"] 紙に直線を引き、端から10cmのところに点を描く[/caption]
[caption id="attachment_3532" align="alignnone" width="400"] 紙を目の前に広げ、10cmのところの点をじっと見つめる。 ※眼鏡やコンタクトは着用したままでかまいません。[/caption]
[caption id="attachment_3533" align="alignnone" width="400"] 図の左側のように、Xの中心に点が1つに見えている状態で、10秒間キープできれば“寄せ目力”は十分。図の右側のように、10秒間キープできずに、点が2つに見えてしまう場合は、“寄せ目力”が下がっています。ひどい疲れ目に悩んでいたら、斜視の専門医のいる眼科へご相談ください。[/caption]
出典:ガッテン「疲れ目撃退!本当の原因解明SP」
寄せ目はスポーツでも注目
プロボクサーの村田諒太さんは、目を鍛えるビジョントレーニングを取り入れています。寄せ目を素早く行って焦点を合わせるトレーニングは、相手のパンチがゆっくりとみえるようになったといいます。
また、卓球の強豪校、新潟県北越高等学校女子卓球部では、視線を前後に動かすトレーニングを取り入れています。目を寄せることが反応の早さにつながり能力は高まるといいます。
さいごに
寄せ目ができない人は目が疲れやすい!
- 疲れ目予防は、1時間に1分目を閉じるだけ
- スマホは目から、30cm 離す。 1日4時間以内
- 目の向きは個性
目が外側に向いている、その角度は個性で疲れやすい目を持っている、ということです。
1時間に1分目を閉じることは、すぐできてお金もかからない自分目薬です。
日頃から目を休めながら疲れ目が重症にならないように注意しましょう。
お読みいただきありがとうございます。
子供の弱視と斜視についてはこちらです。
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参考 http://www9.nhk.or.jp/gatten/articles/20170719/index.htmlガッテン http://www.jasa-web.jp/search/index.html日本弱視斜視学会