わたしのメガネと目のブログ

メガネと目の健康について書いたブログです。メガネ歴40年の読書と図書館と公園と空の雲が好きな50代です。視力が落ち始めた中学生の頃、目が見えなくなったらどうしよう…と不安に駆られました。視力は強度近視で0.1ありませんが、ちゃんと見えてこの歳まできました。あれこれ目の病気や疲れが気になります。知らないことが不安になるので、色々と目のことを調べてみようと思いました。

視覚障害者のサポート方法は?正しい誘導の注意点

白い杖をついて歩く人や盲導犬といる人に出会ったときに、その人が困った様子だった時に声をかけて手助けできるでしょうか?

ちょっとした誘導の方法を知っていたら手助けしやすくなります。正しい誘導方法と注意点を調べてみました。

視覚障害者には危険な駅のホーム

駅 ホーム

「欄干のない橋」

これは視覚障害者が駅のホームをたとえて表す言葉だそうです。橋に欄干がなければ目の不自由な人はちょっとしたはずみで川に落ちてしまいます。

大都市圏では地下鉄などでホームドアが設置される駅が増えていますし望まれることです。しかし地方はこうした措置が現実的ではないとされています。

地方の駅は利用者が減り合理化が進んでいます。ですが視覚障害者で駅を利用している人はいるのです。https://news.yahoo.co.jp/byline/mizushimahiroaki/視覚障害者の転落事故地方はより深刻)

また、ホームにある黄色の展示ブロック(幅30cm)は大人で一跨ぎできる大きさのため見落とすこともあるといいます。視覚障害者がより注意を払わなければならない状況であるといえます。

視覚障害者500人に聞いた結果

神奈川県の障害福祉課で視覚に障害がある500人に行った結果です。

対象は視覚障害1級=両眼の視力の和が0.01以下 の方です。

道路でいつも危険を感じている…19% 時々危険な思いをする…56% 通行人で声をかけてくれる人が、 いる…20%、いない…60%、その他…20% ホームからの転落や転落しそうになったことがある…50%以上

半数以上が駅のホームから転落しそうになったことがある、という結果には驚きます。

正しいサポート方法

「白杖SOS」と声かけ

白杖を持っているからといって、すべての方が「全盲」とは限りません。

視覚障害者とは、目の不自由な人であり、半数以上は「弱視」といわれます。顔を接近させれば見える「強度弱視」や見える範囲が狭い「視野狭窄(しやきょうさく)」など見えにくさは人それぞれに違います。弱視の方は人や障害物にぶつかることを未然に防ぐために白杖を使用しています。これは法律で義務付けられていることです。

この「白杖SOS」で、周りに助けを求めている合図です。ですが、合図を知らない人もいるし、杖を高々かかげるのも勇気がいることのように思えます。

杖をかかげなくても困った様子があれば声をかけてみましょう。

視覚障害者の方を見かけたとき、どのように声をかけたらよいでしょうか。

「どちらへいらっしゃるんですか」 「なにかお手伝いしましょうか」 「なにかお困りですか」 「ご案内しましょうか」 「そちらは○○○なので危ないですよ」

このように声をかけ手助けを申し出れば、その後のやりとりもスムーズに行えます。

視覚障害者は道に迷っていても誰がどこにいるかわからないため自分から声をかけにくいものです。こちらから積極的に声をかけてみましょう。もし申し出を断られても気にしないことです。その場に慣れている、他の人と待ち合わせをしている、などその場では必要なかっただけです。

注意

気をつけたいのは、いきなり視覚障害者の肩を叩く、身体に触ったり、手を握ったりすることです。驚いてしまいます。必ず一声かけてから行ってください。視覚障害者を誘導するために最も大切なことは誘導者と視覚障害者のコミュニケーションです。

誘導の基本

[caption id="attachment_3428" align="alignnone" width="325"]誘導 出典:http://www.pref.kanagawa.jp/cnt/f5075/p15105.html[/caption]

  1. サポートする人が、視覚障害者の白杖の持つ反対側に立つ(交通量など道路の危険度のよって変わる場合もある)
  2. 白杖は視覚障害者の体の一部。杖を持ったり、引っ張ったりしない
  3. 誘導者は肘の少し上を握ってもらう
  4. 視覚障害者の足元、頭上、二人分の幅に気を配りながら、半歩前を歩く(肘を盛った相手の腕が直角になっていれば自然に半歩先を歩くことになる)
  5. 背の高さによっては、肩に手をかけることを希望する人もいる
  6. 握られた腕は、自然におろしておく(前後に振らない。身体から離すと相手との間隔が広くなる)
  7. 歩く速度は、相手に合わせる
  8. 段差や傾斜など路面の状況が変わる時は事前に声をかける

[caption id="attachment_3427" align="alignnone" width="323"]誘導 手 出典:http://www.pref.kanagawa.jp/cnt/f5075/p15105.html[/caption]

階段

歩道橋

  • 手前で止まり「階段を昇ります(降ります)」と声をかけ、先に1段先を昇る(降りる)
  • 昇り(降り)切ったら、相手の昇り(降り)を確認して「これでおわりです」と知らせる
  • 階段に対して直角にリズムよく誘導する(斜めに昇らない/降りない)
  • 不規則な階段は、あらかじめ高さや幅を知らせる

電車やバスの乗り降り

  • 「ここが入口です」「手すりはこれです」と触れさせて誘導すると乗り降りがしやすい
  • 電車とホームのすき間があるときは、具体的にどれくらいの広さか知らせる
  • 座席に誘導する時は、視覚障害者のひざを座席に触れさせて座るように声をかける
  • 混雑しているホームでは、急がず人の流れが途切れてから歩き出す

自動車の乗り降り

  • 自動車のドアの側まで誘導し、右手を屋根に、左手をドアに触れさせる(白杖は誘導前にあずかっておく)
  • ドアの開閉は誘導者が声をかけながら行い、乗車は視覚障害者が先に乗り込み、降車は誘導者が先に行う

誘導中に相手から離れるとき

途中で離れる必要があるときは、壁や柱などに触れさせる

道を教える

「あちらです」「まっすぐに」とこたえるのではなく、視覚障害者の立ち位置を起点にして、前後左右で指示する

トイレを教える

トイレの案内を頼まれたときは、個室までつきそう。便器の位置、紙とレバーの位置を知らせてから外に出る。異性の場合は同性の人を見つけて案内を頼む

誘導する時の心構え

街並み

まわりに変化があっても視覚障害者にはわからない場合があります。黙って案内せず常に声をかけながら、なぜそのような行動をすのか説明することが大切です。

できれば周囲の状況や景色など雑談を楽しむことで相手も安心します。

また視覚障害者によって、このようにして欲しいとやり方があればその方法で誘導してください。

特に、以下のような場所で視覚障害者を見かけたら声をかけてみましょう。

危険

  • 落下の危険のあるホームや降りるときの階段
  • 大型トラックが駐車している場所、歩道橋の裏側
  • 看板などが飛び出ている場所
  • 無謀な走行をする自転車やバイク
  • 無理な歩行をする通行車が多い場所

目が見えていても、怖いと思うような道路や場所もあります。

まとめ

視覚障害者の正しいサポート方法。

  • 白い杖の人が全盲とは限らない
  • まず声をかける(いきなり触れない)
  • 相手に合わせた速度や歩幅で
  • 常に行動を説明しながら誘導する
  • 相手の希望にそった誘導

 

かなり前ですが、白い杖を持った女性を駅で見かけて、少し困った様子に、でも声をかけることができず後悔したことがあります。(急いでもいたのですが)正しいサポート方法を知っていれば…と思ったものです。

バリアフリーはすべての人にやさしい仕組みだと思います。それが当たり前の社会になることを願っています。

お読みいただきありがとうございます。

[ad#88]

参考 http://www.pref.kanagawa.jp/cnt/f5075/p15105.html視覚に障害がある人のサポート http://toyokeizai.net/articles/-/143725?page=3東洋経済オンライン http://home.c00.itscom.net/t2oho4no/fukusitaiken/yuudou/yuudou.htm視覚障害者の誘導方法