目にいい「果物」の栄養素と効果は?おすすめのフルーツレシピ
日本は四季に恵まれ季節ごとにおいしい果物があり、食生活に彩と豊かさをもたらしてくれます。生活習慣病や美容効果にも優れ、健康には欠かせない食べ物です。
果物の栄養とその効果、目によい果物のおいしく食べるレシピをご紹介しましょう。
フルーツに含まれる栄養素と効果
果物は各種のビタミンをはじめミネラルや食物繊維がとりやすい食材です。健康維持や様々な病気の予防に効果のある機能成分も豊富に含まれています。もちろん目の健康によい栄養素もたくさん含まれています。
ビタミンC
- 抗酸化作用があり鉄の吸収を促進する
- 白内障の予防、抗ストレスの効果
- 水溶性で加熱に弱い。生食できる果物で効果的に栄養素をとれる
特に多く含まれる果物: 柿、キウイフルーツ、イチゴ、柑橘類、栗、パインアップル
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ビタミンB群
- エネルギーの供給や物質代謝に関係し、失われると疲れやすくなる
- ビタミンB6、イノシトールは、脂肪やアミノ酸の代謝に関わり脂肪肝の予防等の効果がある
- 葉酸が成長や妊娠に必要な成分
- 認知症予防効果があるという報告もある
特に多く含まれる果物: 栗、柑橘類、バナナ、キウイフルーツ、、パインアップル
ビタミンA
- 成長に必要、妊娠や乳児にとって特に必要なビタミン
- 視力を正常に保つ機能がある
- βカロテンなどのカロテノイドは体内でビタミンAに変換するプロビタミンAであり、抗酸化作用による免疫力強化作用がある
- みかんに特に多いβクリプトキサンチンは、がん抑制効果がある(動物実験で)
特に多く含まれる果物: みかん、スイカ、びわ、柿
ビタミンAが豊富なホウレンソウについてはこちらでも。
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ビタミンE
- 過酸化物質の生成を抑制するという抗酸化作用と抗酸化作用を介して生体膜を安定化させる作用
- 老化防止やがん、高血圧、動脈硬化、心臓病、白内障や生活習慣病などの予防効果がある
特に多く含まれる果物: キウイフルーツ、桃、すもも、さくらんぼ、バナナ、柑橘類、イチゴ、西洋梨
カリウム
- 高血圧や脳卒中等の脳血管疾患と深い関係があるナトリウム(食塩)の排泄を促す効果
- カリウムは調理によって溶けやすく失われやすい(野菜に火を通すと約3割失われる)
- 生でそのまま食べられる果物は、カリウムをとるのに最適
特に多く含まれる果物: 栗、バナナ、メロン、キウイフルーツ、さくらんぼ、柑橘類、果物全般
ビタミンAとカリウムが豊富なニンジンのレシピはこちらでも。
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食物繊維
- ペクチン等の水溶性食物繊維やセルロース等の不溶性食物繊維が多く含まれる
- 特に干し柿などのドライフルーツには、食物繊維の量が多く含まれる
特に多く含まれる果物: 栗、キウイフルーツ、西洋梨、柿、すもも、びわ、りんご、柑橘類、パインアップル、イチゴ
生活習慣病の予防効果:
- 便秘の予防、糖質、脂質の吸収を遅くする
- 発がん性物質等の対外への排泄
- 善玉菌と呼ばれるビフィズス菌等の大腸菌での増加促進
- 悪玉コレステロールの上昇を抑える働き
有機酸
- 有機酸とは、くだものを食べたときに感じる酸味
- クエン酸、リンゴ酸、酒石酸など爽快で清涼感を与えてくれる
- クエン酸やリンゴ酸は糖質がエネルギーに転換していくためにビタミンB群とともに不可欠な成分で疲労回復に効果がある
- 有機酸は鉄の吸収を高めるので貧血の防止効果がある
特に多く含まれる果物: レモン、梅、あんず、柑橘類、キウイフルーツ、すもも
ポリフェノール
- 果物の色素や苦み渋みの成分
- フラボノイド類、カテキン類等が代表的なもの
- 活性酸素を除去し、生活習慣病等を予防する効果
- フラボノイド類、かんきつ類に多く含まれ、抗酸化作用やビタミンCの機能を高めて毛細血管を丈夫にし、出血を防ぐ効果もある
- カテキン類は多くの果物に含まれており、殺菌作用による口臭の予防、血圧降下作用や抗酸化作用による動脈硬化予防やがん予防等の効果がある
特に多く含まれる果物: 果物全般
特に目に効くフルーツ
イチゴ
- 果物の中でもビタミンCが豊富で免疫力を高め、美肌効果がある
- アントシアニンが含まれており、肝機能や視力を改善する効果も
ブドウ
- 皮や種子にポリフェノール類が含まれ、抗酸化作用がある
- 腎と肝の機能を調整し疲れ目の改善に
- 「ブドウ糖」の名がつくように糖質を多く含みエネルギー源となる
- 酒石酸はクエン酸と同じようにエネルギー代謝を活発にして疲労回復を促す
ブルーベリー
- 目によいとされるブルーベリーははブドウの仲間。原産地は北アメリカ
- 色鮮やかな青紫の色素はアントシアニン色素で、ロドプシンの再合成を助ける働きがあるとされる
東洋医学からみた食材の特徴はこちらで。
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果物を食べる時のポイント
旬の果物を食べる
なにより旬の果物を生のままいただくのがおいしいです。
春(3~5月) | 甘夏、はっさく、ネーブル、デコポン、キウイフルーツ、イチゴ |
夏(6~8月) | 桃、さくらんぼ、梅、ブドウ、すもも、びわ、アンズ、メロン、スイカ |
秋(9~11月) | りんご、日本なし、柿、栗、みかん |
冬(12~2月) | みかん、西洋梨、いよかん |
季節にたくさん出回っている果物はお値段も手ごろですし、毎日の食卓に乗せたいものです。
生で食べる
果物のよいところは、ほとんどが生で食べることができることできることです。加熱に弱いビタミンCも果物なら効率よくとれます。スムージーやジュースにしてみたり、野菜も合わせてジュースにすれば野菜不足も補えそうです。生でモリモリいただける食材は思ったよりすくないものです。果物を大いに利用したいですね。
そしてフルーツといえばスイーツ。 どの果物もスイーツにしたらおいしいものばかりです。また大抵の果物はジャムやコンフィチュールになりますし、毎日とることもできますね。
果物の誤解
「果物は甘いので太りやすい」といわれたことがあります。 果物の甘さは果糖によるもので、砂糖の1.15~1.73倍の甘さを感じます。エネルギーは1gあたり4kcalとほかの糖と変わらないのです。
同じように「糖尿病に悪い」ともいわれますが、果糖はブドウ糖に比べて腸管での吸収が遅く、むしろ血糖値の上昇度は低いようです。また、果物にも含まれている食物繊維は、急激な血糖値の上昇を抑制する作用もあります。これは、豊富に含まれる水溶性食物繊維が胃や小腸内で粘度の高い状態になり、糖質の消化や吸収の速度が緩和されるため、血糖値の上昇が緩やかになると考えられています。
果物レシピ
生で食べておいしい果物ですが、たまには違った食べ方もいかがでしょう。
※レシピは2人分です
ポークソテーぶどうソース
ぶどうの甘味と酸味がエッセンスになります。果物は肉や魚介類に合わせてソースにすると一味違います。
① ブドウ(適量)を房からはずし熱湯に10秒ほうどくぐらせ冷水にとり水分をふき皮をむく
② 豚肉(ロース肉100g2枚)は筋を霧、軽くたたき塩・こしょうし小麦粉をまぶし、バターで焼く
③ 肉が焼きあがったらとりだし、白ワイン(1/2C)を煮詰める
④ 白ワインが半量になったら生クリーム(1/4C)を入れ味をととのえ、ブドウを入れさっとあたためる
⑤ 皿に盛り付け完成
ブドウの白和え
和食にも応用できます。果物を使うとほどよい酸味があり箸休めにもなります。
① ブドウ(8粒・100g)は皮をむき種をのぞく
② 豆腐(1/4丁)を水切りし白ねりごま(大さじ1)レモン汁(小さじ2)塩(少々)をプロセッサーにかけ和え衣をつくる
③ ブドウをあえる
※梨、りんご、柿でもできます
果物のグラタン
大人向けにはオレンジジュースをリキュールにしても美味しい。
① オレンジ(1コ)キウイフルーツ(1コ)バナナ(2本)ブドウ(10粒)果物は食べやすいように切る
② サバイヨンソースを作る。卵(1コ)を割りほぐし砂糖(大さじ2~3)、オレンジのしぼり汁(大さじ1)を加え湯せんにかけながらしろっぽくなるまで混ぜる。湯せんをはずして生クリーム(大さじ1/2)、グランマルニエ(大さじ1/2)を加える
③ 耐熱容器に果物を並べ、ソースをまわしかける。190℃のオーブンで15分焼く
温かい果物もおいしいものです。りんごやバナナをココナツオイルでソテーしても美味。
まとめ
- ビタミンAは、視力を正常に保つ機能がある
- ビタミンC・Eは、白内障の予防、抗酸化作用があり鉄の吸収を促進する
- ブドウは、ポリフェノール類が含まれ、抗酸化作用があり腎と肝の機能を調整し疲れ目の改善に
- イチゴは、アントシアニンが含まれており、肝機能や視力を改善する効果も
さいごに
目や身体によい果物。季節の果物を楽しめる日本はいい国です。
果物には多くのビタミンやミネラル、食物繊維が含まれ、生ですぐに食べることができます。
目の健康維持や様々な病気の予防に効果のある機能成分も豊富に含まれている果物。季節を楽しみながら食べたいと思います。
お読みいただきありがとうございます。
参考 http://www.japanfruit.jp/fruit/(公益)中央果実協会 『食べ物栄養事典』日本文芸社 『漢方の基本講座』成美堂出版/佐藤弘・吉川信 『うちのファミリーフレンチ』脇雅世/文化出版局