目にいいルティンを含む「ホウレンソウ」料理のポイントと効果的な組み合わせ
「ホウレンソウ」は身体によい野菜の代表格。アメリカのコミック『ポパイ』の影響でしょうか。ビタミンやミネラルが豊富に含まれています。もちろん目にもよい食べ物です。
ホウレンソウのルティンを効率よくとれる調理のポイントや組み合わせる食材、レシピをいくつかご紹介します。
ホウレンソウの栄養と薬効
豊富に含まれる「ルティン」はカロテンのなかまで抗酸化作用にすぐれています。特に紫外線の影響を受けやすい水晶体や目の網膜を保護する効果が高いとされます。ルティンの黄色の色素は加齢黄斑変性症や白内障の進行を抑える効果も期待されています。(液晶画面でもブルーライトを軽減しようとすると黄色っぽくなります。)
肝の機能(血のめぐり)を調整して、目の疲れやドライアイを解消します。目は東洋医学でいうところの「肝(かん)/肝臓」と関わりが深く血のめぐりをコントロールしているところです。
皮膚や粘膜(網膜も)を丈夫にして抵抗力をつけ、ビタミンCのとEとともに活性酸素を撃退し老化の予防にも役立ちます。
赤血球をはじめとする細胞の合成に欠かせない葉酸、さらに鉄を多く含んでおり貧血の改善に役立ちます。
調理する時のポイント
ゆでて、シュウ酸をのぞく
ホウレンソウのアクの成分となるシュウ酸は、鉄やカルシウムの吸収を阻害しますが、ゆでることによって取り除くことがでる。基本的には熱湯でサッとゆでて水にさらしてアク抜きするが、水にさらし過ぎると水溶性のビタミンCが溶けだしてしまうので要注意。電子レンジを使うこともできるが、アク抜きはゆでる方がベスト。
タンパク質と一緒にとる
貧血を予防する鉄の含有量は野菜の中でもっと多いホウレンソウ。植物に含まれる鉄は「非ヘム鉄」と呼ばれ動物に含まれる「ヘム鉄」にくらべ吸収率が悪い。吸収をよくするためには、タンパク質やクエン酸、ビタミンCと一緒にとる。ホウレンソウにはビタミンCが含まれているので、タンパク質と組み合わせれば効率よくとれる。
油脂を含む食材と一緒にとる
ニンジンにつでβカロテンを豊富に含む。脂溶性ビタミンのβカロテンを効率よくとるには、油脂・オイルまたは油脂を含む食品と一緒にとる。
相性のよい食材
魚介類、肉類、大豆、大豆加工品、ゴマ、アーモンド、ウナギ、タラコ、カボチャ、小麦胚芽
ホウレンソウを効果的にとるレシピ
ホウレンソウのお浸し(約80g)でビタミンAが1日の所要量(1800IU)を越える2320IUとることができます。(出典:『食べ物栄養事典』日本文芸社)
ホウレンソウのごまあえ
- ホウレンソウをゆで水にさらす
- かるく絞って好みに切る
- ゴマ(3)を煎り、よくする。みりん(2)、砂糖(1)、しょうゆ(1~2)、塩(少々)でのばす
- ホウレンソウをあえる
※(1)は割合です。ゴマは油がでるまでするとおいしい和え衣になります
ホウレンソウの白和え
- ホウレンソウをゆで、さらし絞って好みに切る
- 木綿豆腐(1丁)を水切りし漉す(つぶしても)。砂糖(2~3)、煮切りみりん(4)薄口しょうゆ(1)、炒ったすりごま(4~5)塩(少々)を加えて和え衣を作る
- ホウレンソウをあえる
※甘味にメイプルシロップや煮切りみりんを使うとまろやかに。豆腐はざっくりつぶしてもなめらかに漉してもそれぞれの美味しさがあります。和え物は作ったらすぐにいただきます。置いておくと水分が出てきますからご注意ください。
ホウレンソウとかきのオイスターソース炒め
カキ: 40g (酒: 小さじ1/3弱)
ホウレンソウ: 70g
ニンニク: 少量 油: 小さじ1/2(2g)
合わせ調味料: オイスターソース 小さじ2/3、しょうゆ 小さじ1/3、酒 小さじ1/2弱 砂糖 小さじ1/3
- カきは水洗いし、酒をふりかけておきサッとゆでる
- ホウレンソウはゆでて4センチの長さに切る
- 油を熱してニンニクを炒め取り出し、カキを強火でサッと炒め、ホウレンソウを加えて調味料を加える
【女子栄養大学のホウレンソウ・レシピはこちらです】
[blogcard url="http://www.eiyo.ac.jp/recipe/recipe/search/keyword:%E3%81%BB%E3%81%86%E3%82%8C%E3%82%93%E8%8D%89.html"]
まとめ
- ルティンを含み抗酸化作用にすぐれ、目の網膜を保護する効果が高い
- 肝の機能(血のめぐり)を調整して、目の疲れやドライアイを解消
- 皮膚や粘膜(網膜も)を丈夫にして、ビタミンC・Eと活性酸素を撃退し老化の予防
- 吸収をよくするためには、タンパク質やクエン酸ととる
- βカロテンを効率よくとるには、油脂・オイルまたは油脂を含む食品と一緒にとる
- 魚介類、肉類、大豆、大豆加工品、ゴマ、アーモンド、ウナギ、タラコ、カボチャ、小麦胚芽と相性がよい
さいごに
ホウレンソウの旬は冬です。夏のホウレンソウは旬の時期にくらべて1/3~1/5程度に減るといわれます。この時期はアクの主成分も減るので生食することもできますね。
葉先がピンとして株が密で小さい、茎は短め、根本の赤みがさえているホウレンソウを選びましょう。
日に日にビタミンCは失われますから早めにいただきましょう。
最近のホウレンソウはアクも少ないように思います。さっとゆでて冷蔵庫に常備すると手軽に使えますね。根元部分も甘くておいしいので包丁で切れ目を入れて水にさらしておくときれいになります。
和食の定番「ごま和え」や「白和え」は目にもよい組み合わせだったんですね。せっせといただきたいと思います。
お読みいただきありがとうございます。
⦿⦿目にいい「ニンジン」吸収率があがる食べ方とは?肝はたらきを高めて疲れ目解消
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参考 http://www.eiyo.ac.jp 女子栄養大学 https://www.alicey.jp/article/57928 レンジゆでる 『手しおにかけた私の料理』婦人之友社/辰巳芳子 『食べ物栄養事典』日本文芸社 『漢方の基本講座』成美堂出版/佐藤弘・吉川信