わたしのメガネと目のブログ

メガネと目の健康について書いたブログです。メガネ歴40年の読書と図書館と公園と空の雲が好きな50代です。視力が落ち始めた中学生の頃、目が見えなくなったらどうしよう…と不安に駆られました。視力は強度近視で0.1ありませんが、ちゃんと見えてこの歳まできました。あれこれ目の病気や疲れが気になります。知らないことが不安になるので、色々と目のことを調べてみようと思いました。

3D映像で視覚と脳を刺激「9次元からきた男」子供と科学を楽しめるおすすめスポット

科学の楽しさをわかりやすく伝える「日本科学未来館」は2016年4月にリニューアルオープンしました。その目玉作品として企画・製作されたのが、3Dドームシアター作品が「9次元からきた男」です。

何やら難しい物理をテーマにしながら見事な映像表現で、国内外の映像に関する数々の賞を受賞しています。目(見ること)の不思議を体感できる作品です。

3D映像が立体に見えるわけ

「9次元からきた男」は3D作品です。見る時に専用のメガネをかけます。平面(2次元)のスクリーンを見てどうして立体的な映像を見ることができるのでしょうか。

もともと人間の目は、右と左でそれぞれ違うものを見ています。ちょっと試してみましょう。

  1. 1メートルほど離れたところにある目標を決めて、その中心を指でさす
  2. 指はそのままにして片目ずつ閉じながら、右目だけで見る
  3. 続けて、左目だけで見る

いかがですか。指をさしている位置が右と左ではズレていることがわかります。

私たちの両目は、成人の場合、左右に6cm前後離れた位置にあるため、目の前にあるものをそれぞれが違う角度から見ているのです。左目と右目で見た2つの像から、奥行きや立体感をまとめて読み取りひとつの立体物として見せてくれるのが「脳の働き」です。

この両目の視差(ズレ)を利用して、左右の目で見た映像が合成された映像、つまり、左目用の映像と右目用の映像を同時投影したものが3D映像なのです。この映像から、左目用の映像は左目だけで、右目用の映像は右目だけで見ることができれば、あとは脳内で処理されて映像が立体的に見えるわけです。

[caption id="attachment_3390" align="alignnone" width="420"]とねさん 出典:http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/7d229570736d1e0a174a5aca8e209f88[/caption]

3D映像を見る時に必要となるのが「3Dメガネ」です。3Dメガネをかけることで、左目には左目用の映像だけを、右目には右日用の映像だけを見ることができます。3Dメガネですが、ひと昔前は左右で違う色のフィルムが張られた簡素なものでした。赤と青のメガネですね。赤フィルムには青い映像しか届かず、フィルムには赤い映像しか届かない仕組みになっています。現在の3Dメガネに色はついていませんが、基本は同じようです。

「9次元からきた男」概要

リニューアルオープンに合わせて製作されたドームに写される3D作品です。

ストーリーは謎の男T.o.E.(トーエ)というおかしな名前の男が主人公です。帽子をかぶりマフラーを口の回りに巻いた男、T.o.E.はTheory of Everything(万物の理論)というわけで、その究極理論の候補と考えられている超弦理論の9次元空間を自由に移動できるのです。そして副主人公を3次元空間に住む科学者が演じ、T.o.E.をなんとか捕まえて万物の理論の秘密を知りたいと願っているという物語。 『呪怨』などで知られる映画監督の清水崇氏を起用して、難解な数式で表現される理論物理学の最前線を、エンターテインメント性あふれるものに仕上げています。

技術的には、実写と精緻なCG・データビジュアライゼーションを融合させた、かつてない映像を体感できます。

物理学の究極の目標といわれる「万物の理論」をテーマに、今まで誰も見たことのないエンターテインメント作品を作ろう!というかけ声の下、プロジェクトがスタート。 物理は日本の得意とする分野でもあり、湯川秀樹氏、朝永振一郎氏、小柴昌俊氏、南部陽一郎氏、小林誠氏、益川敏英氏、梶田隆章氏など多くのノーベル物理学賞受賞者を輩出しています。関連する書籍は科学の専門書としては異例の売れ行きで、高い関心を集めていますが、理論物理学の研究は目に見える事象ではなく数学の言葉でしか表現できないため、非常に難解で一般に理解されているとは言い難い状況です。 難解な理論物理学を「解説」するのではなく、理論物理学者の見ている世界を「体感」してもらうような映像で、理論物理学の世界の美しさや人間の探究心のすばらしさを感じてもらい、多くの方が科学の世界へ興味をもつきっかけになればと、このプロジェクトを立ち上げましました。 「9次元からきた男」企画資料より

ドームシアターという、これまでにない周囲180度を囲まれた上映環境は、映画やテレビなどの四角い映像とは異なる「没入感」があり特別な映像体験を味わえるものになっています。

上映時間: 30分 監修: 大栗博司 監督: 清水 崇 ビジュアル・ディレクター: 山本信一 脚本: 井内雅倫 撮影: 福本 淳 照明: 市川徳充 宇宙進化シミュレーション映像: 武田隆顕 編集: 金山慶成 データ提供: The Illustris Collaboration(宇宙シミュレーション) CERN〔欧州原子核研究機構〕(加速器データ) 制作・CG/VFX: オムニバス・ジャパン 企画・制作・著作: 日本科学未来館 専用HP: https://www.miraikan.jst.go.jp/sp/9dimensions/

 

予約方法と料金

ドームシアターは予約制です。以下2種類の予約方法があります。 ①当日先着順の予約(入館券購入時にチケットブースでご予約ください) ドームシアター鑑賞料: 大人300円  18歳以下100円 ※入館券とのセット購入のみ ②事前WEB予約(ただし、上映前日の午後5時まで)

予約サイト: 日本科学未来館ドームシアター予約

国内外の映像作品賞を受賞

物理学の究極の目標である「万物の理論」をテーマにした3Dドーム作品は、大きな反響と評価を受けました。

VFX-JAPANアワード2017 先導的視覚効果部門

2017年3月10日秋葉原UDXシアターにて開催された「VFX-JAPANアワード2017表彰式」において「VFX-JAPANアワード2017」7部門の優秀賞の表彰並びに最優秀賞作品の発表、表彰が行われ、トロフィー、賞状が授与されました。 2016年話題となった映画「シンゴジラ」「君の名は。」とともに受賞。

先進映像協会グッドプラクティス・アワード2016

良質な先進映像作品へ贈られるルミエール・ジャパン・アワードを実施してきました。 2016年度は3D、4Kに加えVR部門を設置、グッドプラクティス・アワードでは3DとVRをフィーチャーし、当該分野の普及・発展への寄与が期待される取り組みに対し表彰された。

IPSフルドームフェスティバル2016最優秀教育作品賞受賞

同フェスティバルは、60カ国、約700の会員が加盟する国際プラネタリウム協会の総会として開催されるもので、世界最大級のプラネタリウムのフェスティバルです。 2016年6月17日。チェコで開催されたIPSフルドームフェスティバル2016(主催:国際プラネタリウム協会(IPS))において、最優秀教育作品賞を受賞しました。

 

さいごに

3D作品といえば、はじめて見たのは東京ディズニーランドの「キャプテンEO」(何年前?)だったと思います。映画で最も迫力を感じたのは「アバター」。

そして「9次元からきた男」を見てあらためて3Dの技術の見えない世界を表現するためのCG技術や視覚と脳のはたらきを利用した表現に驚かされました。俳優陣の演技も確かで、ふだん見ることができない世界を映像を駆使してビジュアル化しています。ミクロはこんな世界!?と目を見張るものがありました。実際の加速器での実験データも使いながら最新技術で作られた映像はドーム型で包まれるような迫力、引き込まれる未知なる体験でした。もう一度見に行きたいです。

日本科学未来館は何度訪ねても楽しいところです。常設している良質な作品を見れる「9次元からきた男」をぜひご覧ください。

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参考 https://www.miraikan.jst.go.jp/dometheater/ 日本科学未来館 http://www.fujitsu.com/jp/group/labs/resources/tech/techguide/list/image-3dcamera/p02.html 3Dの仕組み https://cgworld.jp/feature/201604-9dimensions-cgw213-3.html