わたしのメガネと目のブログ

メガネと目の健康について書いたブログです。メガネ歴40年の読書と図書館と公園と空の雲が好きな50代です。視力が落ち始めた中学生の頃、目が見えなくなったらどうしよう…と不安に駆られました。視力は強度近視で0.1ありませんが、ちゃんと見えてこの歳まできました。あれこれ目の病気や疲れが気になります。知らないことが不安になるので、色々と目のことを調べてみようと思いました。

人間ドッグで指摘の「視神経乳頭陥凹拡大」の目の病気とは?早期発見で目を守る

先日知人のご主人が、人間ドッグなどで「視神経乳頭陥凹拡大」と検診結果に書かれていたそうです。

聞けば眼科で再検査が必要とのこと。

どんな症状でどのような病気の疑いがあるのでしょうか。

人間ドッグで受ける目の検査

人間ドッグは幅広い検査項目は自由に組み合わせる健康診断の拡大版です。生活習慣病を中心に広範囲な「基礎ドッグ」、がんや脳血管疾患、心疾患など特定の分野に特化した「専門ドッグ」があります。

目の検査には「視力検査」「眼底検査」「眼圧検査」など基礎的項目に含まれています。

視力検査

視力検査は小学校などの学校でも行う一般的な検査によって目の視力を調べます。「ランドルト環」と呼ばれるアルファベットのCのようなマークを見て視力を判定していきます。

視力検査でメガネやコンタクトをつけている人は、その度数は正しいものを選んでいるかを確認することが必要です。

しっかりと正しい度数のメガネやコンタクトを装着しなければ、目に負担がかかり視力がさらに悪くなってしまうことにもつながります。

 

眼底検査

瞳孔の奥にある眼底を眼底カメラや眼底鏡という器具を用いて、レンズを観察し眼底の血管、網膜、視神経を調べる検査です。

網膜剥離や眼底出血、緑内障などの目の病気を調べるときに行ないます。

特に、緑内障が疑われる人の発見に重要な検査です。

日本人の場合は、眼圧が正常範囲内でも視神経障害が起こる「正常眼圧緑内障」が多いため、早期発見するためには、眼底検査によって視神経乳頭の陥凹の状態が決め手となります。

視神経が障害されている場合は陥凹(かんおう・へこみ)の形が正常な場合にくらべて変形し大きくなります。

また、眼底の血管は人間の体の中で唯一直接に血管を観察できる部分です。

そこを観察すると動脈硬化、脳腫瘍、高血圧などの全身の病気が推察でき、生活習慣病の検査としても有効なのです。

眼底検査は目に向かって空気を当てて測定をします。眼球に一定のはりはあるかどうか、大きさや形は適切かどうかなどを確認することができる検査です。

散瞳薬を点眼して瞳孔を広げて行ないますが、最近では無散瞳カメラを使って検査する場合もあります。

検査時間は数分(3分程度)で痛みはありません。

眼底検査で異常があった場合には、「緑内障」「網膜剥離」「糖尿病性網膜症」「眼底出血」「網膜色素変性症」「眼内腫瘍」「視神経萎縮」「乳頭浮腫」「脳腫瘍」「くも膜下出血」などの病気が疑われます。

眼圧検査

房水という液体によって保たれている眼球内圧(眼圧)を測定する検査です。

眼圧は健康な目でほぼ一定ですが、房水の生産量と流出量のバランスが崩れると変動します。眼圧の変動は目の異常を知る重要な手がかりです。

眼圧の高さで、高眼圧症(視神経・視野の障害の有無、眼圧が慢性的に高い)や、緑内障(視野欠損)、網膜剥離、虹彩毛様体炎などの目の病気にかかっているかどうかを調べることができます。

緑内障を調べる時には必ず行われます。直接目の表面に測定器具をあてて測定する方法と、目の表面に空気をあてて測定する方法があります。

眼圧の正常値は10~21mmHg

数値がこれより高い場合「緑内障」「高眼圧症」が疑われ精密検査が必要です。

低い場合は「網膜剥離」「脈絡膜剥離」「外傷」「脱水」「虹彩毛様体炎」などが疑われます

視神経乳頭陥凹拡大(ししんけいにゅうとうかんおうかくだい)

視神経乳頭の陥凹(かんおう)つまりへっこみが拡大しているということです。

視神経乳頭は眼底の中心(中心窩)より少し鼻の方に寄ったところにあり、眼底写真で白い円としてうつるところです。ここは眼球から血管(網膜中心動脈、網膜中心静脈)や神経(視神経)が出入りしているところです。網膜に写った像は視細胞という細胞で電気の信号に変えられ、電気の信号を脳まで運ぶ電線の役割をしているのが視神経線維です。

視神経は神経線維という細い繊維が集まって束ねられたものです。

視神経乳頭の陥凹が大きくなる原因はその中身が減っているため、そこを通っている神経線維の数が減少しているということです。

[caption id="attachment_2874" align="alignnone" width="300"]神経線維 緑内障 出典:さとう眼科クリニク[/caption]

 

視神経繊維の数が減る代表的な病気が「緑内障」です。眼底写真を撮ることで「視神経乳頭陥凹」という視神経の集まった部分の異常を発見することができます。

緑内障

緑内障とは、視神経に障害がおこり進行すると視野が欠けてきて、最悪失明に至ることもある病気です。

緑内障の初期には自覚症状がほとんどなく、長い時間をかけてゆっくりと進行していくことが多いものです。視神経に障害が起きてから視野欠損に気づくまでには5~10年程度かかることもあります。

視野の欠損は、片目で見たとき、視野の中心よりもやや上の一部分から始まることが多いものの、両目で見ていると気づきにくいものなのです。

特に正常眼圧緑内障では片目だけに緑内障が起こることもあり、正常なほうの目が視野の欠損をカバーするため、さらに気づきにくくなるわけです。

その治療は進行を抑えることが目標となります。きちんとケアすれば生涯を進行を抑えたまま過ごせることも多いといいます。

そのため早期発見、早期治療が重要なのです。

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眼科での検査

「視神経乳頭陥凹拡大」と人間ドッグの検査表にあったらすぐに眼科で精密に検査してもらいましょう。

まず眼底検査を行います。3分程度で終わります。ここで異常があった場合に視野検査を行います。

視野検査

緑内障や網膜、視神経の病気の早期発見に必要な検査です。

人は両目で物を見ていますから片方の目を隠さないと、視野に異常があるかどうかはわかりません。

視神経の障害や緑内障などでは、片方の目が障害されたり左右の目の障害の程度が違ったりするので、左右別々に視野検査をする必要があります。

視野検査の方法は専用の機械で行います。

顔を固定して中心のマークを見つめ、周辺に出現する小さな光が見えたら、手に持っているブザーを鳴らして、視野の範囲や欠落部を調べます。

片目ずつ行ない、両目の検査が終わるまでに30分くらいかかります。

[caption id="attachment_2875" align="alignnone" width="200"]視野欠損 検査 緑内障の視野範囲[/caption]

[caption id="attachment_2876" align="alignnone" width="200"]視野検査 緑内障 正常の視野範囲[/caption]

黒い部分が欠損部分になります。眼底検査と合わせて緑内障の重症度や進行具合が判定されます。

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さいごに

人間ドッグで指摘の「視神経乳陥凹拡大」。

緑内障を早期発見するキーワードといえます。

緑内障の疑い(視神経乳頭陥凹拡大)は人間ドッグや検診などで指摘された時は早めに眼科を受診しましょう。

緑内障ならば、何より早期発見が望ましいことです。

40歳を過ぎたら定期的に目の状態や視力を正確に知ることが大切です。

最後までお読みいただきありがとうございます。

参考 http://www.gankaikai.or.jp/health/49/01.html 日本眼科医会/緑内障 https://www.mrso.jp/dock/dock-eyes.html 人間ドッグ http://medical-checkup.info/article/43148837.html 検査方法 http://kenko40.com/archives/235