コンタクトをつけて寝ると視力回復?オルソケラトロジーの長所・短所と費用は?
特別なコンタクトレンズをして夜眠っている間に視力がよくなる、という「オルソケラトロジー」。眠っている間に角膜を変形させているようです。
不便を感じるメガネや手入れがあるコンタクトレンズなしで生活したい、でも目にレーザーを施すレーシック手術ではちょっと怖い… そんな人に新たな視力矯正の選択肢になりそうです。その特長や費用について調べてみました。
コンタクトレンズを入れて視力が矯正できるわけ
メガネや普通のハード・ソフトのコンタクトレンズは、目の外、内のレンズによって目に取り入れる光の屈折を調整して網膜上でピントを合わせるように矯正するものです。
[caption id="attachment_1579" align="alignnone" width="420"] 出典:http://www.yamada-ganka.jp/orthokeratology/[/caption]
通常のコンタクトレンズは眠るときに外します。
「オルソケラトロジー」のハードレンズは、つけたまま眠るとその間に角膜形状が変形され視力が矯正される「角膜矯正療法」です。
「オルソケラトロジー(Orthokeratology)」の「オルソは矯正」、「ケラトは角膜」、「ロジーは学問・療法」を意味しています。
その歴史は50年ほど前にアメリカで始まりました。製品化されたのは2000年頃です。
日本では2012年に医療機器として厚生労働省に認可されています。
オルソケラトロジーの長所
レンズの装用をやめれば元に戻る
- 治療をやめると(夜レンズをつけない)角膜を元の状態に戻すことができる2~3日かけて徐々に戻っていき、1か月程度で元の角膜カーブに戻る
- 人によっては戻りが遅い場合もある
昼間は裸眼で生活できる
- 個人差や屈折度数の差はありますが、8時間から36時間程度効果があるとされる
手術は不要
- 中央部が扁平になっていて角膜に圧力をかける設計になっている
- レーシック手術のように角膜を削ってしまうことはない
激しいスポーツの人に有効
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オルソケラトロジーの短所
[caption id="attachment_1580" align="alignleft" width="300"] http://www2.measis.jp/[/caption]
矯正できる度数に限界がある(強度近視に向かない)
- 視力の質(見え方)はメガネやコンタクトレンズに劣る
- 近視の度数で4Dまでとされる
強い乱視や角膜の形状によっては使えない
- 使う人の目の状態によっては使うことができない
夜間のハロー・グレアーが気になる場合がある
- 夜間は見えにくい傾向にある
定期的な検査が必要
- 矯正開始後の翌日、1週間後、2週間後、1ヶ月後、3ヶ月後、その後3ヶ月ごとに1年後まで、定期的に検診する必要がある
目に病気があるとできない
- 眼科医に相談する必要がある
人によっては使えない
- まぶたにかかる圧力が強い人は眠っている間にレンズがずれる
レンズケアが必要
- オルソケラトロジーのレンズは酸素透過性が高いレンズで汚れが付きやすい、特に内側の汚れに注意が必要
- 専用の洗浄液でこすり洗いやレンズケースの洗浄乾燥をきちんと行う
⦿⦿コンタクトレンズの汚れが落ちない!目のトラブルを防ぐ正しいレンズケアとは?
装用の頻度
毎日装用する人もいれば、 1週間にい1回でよい場合もありますし、週2~3回の人もいます。
近視の強さや年齢によってその頻度が変わってきます。
最低6時間程度はつける必要があります。 睡眠不足は大敵です。
レンズの寿命は通常の酸素透過性レンズとおなじで2~3年です。
オルソケラトロジーの費用
最初の検査や診察には健康保険を使うことができます。(3000円程度)
治療を開始した場合は、自由診療となり保険は使えません。
各施設によって費用は異なりますがおおよその目安は以下の通りです。
【実際にかかる費用】
両眼治療 15~25万円前後(税別)
いずれも、3ヶ月間の検査、診療費用、オルソケラトロジーのレンズ代金(1枚3万5000円位)。 レンズケアのための初回ケア用品セットの代金を含みます。
もし予想に反して十分な裸眼視力がでなかったり、治療結果に満足されない場合で1ヶ月以内であれば治療を中止でき、一部返金可能な施設もあります。(あくまでも一例です)
充分話し合いをもって治療にのぞみましょう。
まとめ
オルソケラトロジーは夜コンタクトレンズをすることで角膜の形状を変えて視力矯正するものです。
長所と短所をよく理解したうえで治療を考えましょう。
オルソケラトロジーは専門的な治療です。
普通のコンタクトレンズ同様に定期検診やレンズケアを心がけましょう。
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参考 http://style.nikkei.com/article/ 日経トレンディ https://ja.wikipedia.org/wiki/ http://www.seijo-clinic.jp/ortho3-2/(料金) http://www.menokenko.jp/htmlbook/orthokeratology/index.html 目の健康、日本眼科医会