糖尿病で失明しないためにはどうする?あきらめない目を守る方法とは
成人で失明の原因のトップが「糖尿病網膜症」によるものです。知人にも糖尿病から失明した人がいます。
毎年、およそ3000人がこの病気で視力を失っているのです。
失明しないためにどうしたらいいのか、大事な目を守るための方法を調べてみました。
なぜ糖尿病で失明する?知らないうちに進行する
[caption id="attachment_2433" align="alignleft" width="304"] 出典:糖尿病ネットワーク[/caption]
網膜は眼球の内番内側にある薄い膜で、目をカメラにたとえた時に、フィルムの役割とされます。 目から入った光は、外界の物体の色や形を網膜の黄斑部で像となってうつしだされ、像は視神経を通って脳へと送られます。
糖尿病にかかっていると、網膜に栄養や酸度を供給している無数の毛細血管が、高血糖のために変化して網膜の組織が障害されていくのです。
網膜の細い血管が傷ついて血中に含まれる水分が漏れ出したり、時には血液そのものが漏れ出すこともおこります。
症状が進むと充分な血流が確保されずに、血液が足りないと勘違いして、脳は目の内部に新生血管と呼ばれる血管までつくることになります。
ですがこの血管は急場しのぎで機能しません。
糖尿病網膜症の三段階(種類)
単純網膜症 ~ 網膜組織の内部にとどまっている段階で、進行もゆるやかで自覚症状もありません。
増殖前網膜症 ~ 病変が網膜の表面に進行してきた網膜症で、この時点でもまだ自覚症状はありません。
増殖網膜症 ~ 新生血管ができる網膜症です。新生血管はもろくちょっとした衝撃で出血し、硝子体出血や牽引性網膜剥離を起こして視力障害や失明の原因になります。この段階になっても初期は自覚症状がほとんどないのです。
失明に至るのは、増殖が活発化して視力が落ちたり眼底出血などの自覚症状が出て発見されますが、その進行は早いのです。
糖尿病から目を守るための方法
血糖コントロール
失明を避けるためには、食事療法による血糖コントロールが効果的です。 自身が基本の血糖コントロールに努めることがいちばんです。
指標となるHbA1cを7.0%未満に維持して同時に高血圧、脂質異常症を治療すれば、初期段階の単純網膜症の進行を抑えられます。
レーザー光凝固
増殖前網膜症や増殖網膜症に進んだ場合、眼科的な治療が必要となります。 新生血管ができそうな場所をレーザーで焼き、その発生と進行を食い止めます。
視力の回復にも有効の場合もあるようです。
何年も糖尿病を患っていた人が片目を失明し、その後血糖をコントロールして後、何回かのレーザー治療によって視力を取り戻した例もあるようです。
【視力がよみがえった例はこちらです】 http://www.dm-net.co.jp/seminar/15/151/index_3.php
硝子体手術
硝子体出血が長引くと硝子体が濁って視力障害が起きたりするので、出血を除去します。
また、はがれた網膜を治療しレーザーで網膜を焼き固めるなどします。
【硝子体手術についてこちらの記事で詳しく】
⦿⦿ボールが強く目に当たったら失明する!?早いほどよい網膜剥離の治療
抗VEGF薬治療
糖尿病網膜症によって起こる糖尿病黄斑浮腫には、VEGF(血管内皮増殖因子)という物質が関与しています。そのVEGFの働き抑える薬を目に注射し、新生血管や血管成分の漏れを抑えることができるものです。
これは目に注射することで病気の進行を抑制するものです。
【抗VEGF薬治療とレーザー光凝固について詳しい記事はこちらにも】
⦿⦿人間ドックを受けていても発見できない!失明に至る加齢黄斑変性の予防と治療
1年に1度は眼科を受診する
自覚症状がないために発見したときには、かなり進行している場合が多い糖尿病網膜症。
糖尿病と診断されたらかかりつけの内科医と連携をとって、見え方に異常がなくても、最低1年に1度は眼科を受診することが大切です。
さいごに
糖尿病で失明しないためには、
- 血糖コントロールを行うこと
- 眼科を受診すること
単純ですが、なによりも自己管理を徹底し、糖尿病についての正しい知識を持つことが重要です。
それ以前に糖尿病にならないために、日頃から食生活や適度な運動など生活リズムを整えましょう。
お読みいただきありがとうございます。
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【失明にいたる目の病気についてはこちらです】
⦿⦿ひな祭りの言い伝え「毎年飾らないと目がつぶれる」?気をつけたい失明に至る眼病
参考 http://www.dm-net.co.jp/seminar/15/151/ 糖尿病ネットワーク