10代も発症する網膜剥離の初期症状はどんなふうに見える?なりやすい人とは?
網膜剥離(もうまくはくり)というとボクサーが強い衝撃を受けて起こすもの、というイメージがあるのでは?
ですが網膜剥離は加齢などによって自然に引き起こされる場合もあるのです。
また、意外なことに若年層の10~20代でも起こります。
実際、20代と50代に最も患者が多い目の病気です。
失明に至ることもある網膜剥離…その初期症状ではどんな見え方をするのでしょうか。
網膜剥離とは
網膜はカメラでいうところのフイルムです。
モノを見るためには、網膜を通して光の情報が脳へと伝わりはじめて認識(モノが見える)されます。
網膜は「神経網膜」とその土台となっている「網膜色素上皮」と2層に分かれています。
神経網膜が色素上皮から剥がれてしまうのが網膜剥離です。
神経網膜は視細胞からできていますが、剥離がおきると色素上皮から栄養が受け取れなくなります。
そのため視細胞の感度が低下して視力に様々な症状がでます。
[caption id="attachment_922" align="alignleft" width="350"] 出典:望月眼科http://www.mochizukiganka.com/info/moumaku/#post-1369[/caption]
網膜剥離の初期の見え方
早期発見することが重要です。以下にあげるように見えると、網膜剥離の可能性があります。
目の前ににフワフワしたゴミのようなものが見える ~ 飛蚊症(ひぶんしょう)
青空を見上げた時、明るい壁の部屋で本を読んでいる時、視野の中に糸のようなゴミのようなものが浮かんでフワフワ移動しているいるように見えることがあります。
これを「飛蚊症」といいます。
[caption id="attachment_924" align="alignnone" width="400"] 出典:http://www.mochizukiganka.com/info/hibunsyo/#post-1730[/caption]
飛蚊症は年齢にしたがってほとんどの人にあらわれます。
特に近視が強い人は若いころから症状があることも。
こうした飛蚊症は治療の必要がありません。
ですが網膜剥離の前兆として病気のサインとなる場合も多いので注意が必要です。
眼底検査などを受けることで病気かどうかわかります。
【飛蚊症についてはコチラもご覧ください】
⦿⦿目の前を黒い虫が飛ぶ飛蚊症は病気じゃないの?原因と注意する病気とは
目の端に稲妻のような光が走る ~ 光視症(こうししょう)
暗いところにいるのに、あるいは、目をつむっているのに一瞬または数秒間、光が走って見えることがあります。
後部硝子体剥離が起こると網膜が引っ張られ刺激されて光が走ります。
網膜剥離の前触れだったり進行中に光視症の症状が起こります。
モノがゆがんで見える、見ようとする範囲が狭い、視力が急激に下がった ~ 視野欠損・視力低下
人によっては飛蚊症や光視症の症状がなく突然網膜剥離のに気づくことがあります。
- モノがゆがんで見える ~変視症
- 見える範囲や視野が欠けて見える ~視野欠損
- メガネを変えても視力がよくならない ~視力障害
網膜剥離が黄斑部に及ぶと視野の中心が見えにくくなります。
網膜の上部が剥がれると視野の下部が、網膜の耳側が剥がれると視野の鼻側が見えにくくなります。
視野全体がうっすらススがかかったように見える ~ 霧視(むし)
今まであげたような症状がまったくないのに急に視野全体が暗くなったり、霧がかかったようにかすんで見えることがあります。これは「霧視(むし)」という症状です。
【失明に至る眼病についてはコチラ】
⦿⦿ひな祭りの言い伝え「毎年飾らないと目がつぶれる」?気をつけたい失明に至る眼病
これら飛蚊症や光視症、視野障害などの自覚症状がでたらすぐに眼科を受診しましょう。
早急な手術が必要になります。
網膜剥離の種類
裂孔原性網膜剥離
網膜に一部に孔(あな・裂け目)ができ、そこから網膜が剥がれていきます。
ふつう網膜剥離というとこのタイプです。
非裂孔原性網膜剥離
孔があいていないにもかかわらず網膜が剥がれてしまうタイプです。
何らかの病気(ぶどう膜炎・糖尿病網膜症)に続けて起こるため「続発性網膜剥離」とも呼ばれます。
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どんな人がなりやすいの?
20代に起こる網膜剥離
中等度の近視の人に多く起こります。
そのほとんどが、硝子体が網膜から離れて前の方に縮む「硝子体剥離」が起こらないケースです。
このような場合は、急に症状が進むことはないようです。
50代(中年期)以降にこる網膜剥離
老化によって網膜に裂孔(裂け目)がひとつあるいは数個できてそこから剥がれていきます。
網膜剥離は誰にでも起こる眼病です。
1万人から1万5000人にひとりの割合で起こるといわれます。
10~20代と50~60代に発症のピークがあります。
網膜が剥がれる前に見つけることができれば簡単な治療で治すことができ、視力にも影響を及ぼしません。
まとめ
10代や20代といった若年増も発症する網膜剥離。
その初期症状には
飛蚊症、光視症、視野欠損、視力低下、霧視
といった症状が前兆としてあらわれます。
日頃から見え方に注意して片目ごとにチェックしましょう。
網膜は一度傷つくと再生することはありません。
早期発見と早期治療で失明に至らないようにするのが大切ですね。
お読みいただきありがとうございます。
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⦿⦿ボールが強く目に当たったら失明する!?早いほどよい網膜剥離の治療
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⦿⦿痛みを感じない網膜の病気に要注意!こんな前ぶれ症状を見逃さない
参考: http://www.gankaikai.or.jp/health/38/06.html 日本眼科医会 目の病気の最新治療/主婦と生活社
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