子どもの目の異常を見つけるには?斜視や弱視の判定や治療法
生まれたばかりの赤ちゃんの視力は0.01ほどです。光の明暗を感じることはできますがぼんやりとした世界を見ています。その後急速に発育していき、1年後には0.1前後になります。3~5歳くらいで1.0の視力を持つようになり7~10歳で大人と眼球の大きさも同じくらいに成長します。
子どもの目の異常は早期に発見する必要があります。
子どもの2%が弱視といわれています。斜視・弱視の判定の仕方、治療法について調べてみました。
発達期に見つけたい斜視・弱視
子どもの目の屈折異常として斜視、弱視があります。
早期発見のためにも眼科検診のある3歳児検診を必ず受けましょう。
斜視
ものを見る時は、両方の目が見ようとする方向に向いています。
斜視は、片方の目が見ようとするものを見ているにも関わらずもう片方の目が見るものとは違う方向を向く場合を「斜視(しゃし)」といいます。
斜視の判定
ペンライトなど眼に光を正面から当てて角膜の反射を確認します。
角膜の反射が同行の中央からずれている場合が斜視です。
斜視になる原因
- 眼を動かす筋肉や神経に異常がある
- 眼の位置がずれて両眼で正しくみれない
- 両眼視(りょうがんし)の異常がある
ふたつの目で見たものを脳でひとつにまとめる働きが両眼視。これができないと、ものを立体的に見ることができません。
早期に治療しないと弱視の原因になります。
斜視の治療
眼球を動かす筋肉の位置を手術で変えたり筋肉の強さを調節して治療します。遠視による斜視はメガネで矯正することで治ります。
仮性斜視は、幼い子どもの場合花が低いと内側のまぶたが目にかぶって、一見斜視のように見えます。
[caption id="attachment_1111" align="alignnone" width="304"] 出典:://www.skk-health.net/me/16/#chap2[/caption]
[caption id="attachment_1112" align="alignnone" width="304"] 仮性斜視[/caption]
光の反射が瞳孔の中央に来ていれば、仮性斜視でこの場合、治療は必要ありません。
弱視
子どもの目の発達には、毎日いろいろなものを見るという訓練の積み重ねが大切です。ですが、その訓練が何かの理由で出来なかったら目の発達が止まってしまうことになります。
この状態が弱視(じゃくし)です。
弱視の原因
屈折異常
中度以上の遠視や強度の近視・乱視があると、脳で情報を理解しにくくなって弱視の原因となることがあります。
メガネなどで視力を矯正し、ハッキリ見えるようにして治していきます。
不同視(ふどうし)
メガネの度(屈折)が左右で極端に違う場合を不同視といいます。
度の強い方の目は使われず、弱視になります。メガネなどで矯正して両眼を使うようにします。
形態覚の遮断
網膜の前に邪魔なものがあって、映像が網膜に映らないことを、形態覚(けいたいかく)の遮断といい、弱視の原因となります。
先天性白内障や眼瞼下垂(がんけんかすい)~まぶたが下がる~などの病気によって弱視を起こします。原因となる病気の治療が必要です。
弱視の判定
弱視は身近にいても気づきにくい場合があります。
- テレビを前の方で見る
- いつも頭を傾けてものを見る
- 目を細めて見ている
- 片方の目をかくすと嫌がる
このようなことがあったら眼科を受診しましょう。また、片方の目だけが弱視の場合、よい方の目で普通に見ていることが多いからです。片目が弱視になっていると正しい見方ができません。
右目と左目で見た像を脳でひとつにまとめてみることを「両眼視(りょうがんし)」といいます。両眼視によって正しい立体感や遠近感を得られます。これは高度な眼の働きで6歳ころまでに完成します。
弱視の治療
早期発見
3歳くらいまでに弱視を発見できると、視力はかなり回復します。視力は10歳くらいまで伸びる可能性がありますが、1~3歳までに急速に伸びるため、早期発見がなにより重要です。
- 斜視 ~ 手術治療
- 屈折異常・不同視 ~ メガネなどによる矯正
- 形態角遮断 ~ 原因の除去・治療
弱視につながる原因を早く見つけて弱視の悪化を防ぐぎましょう。そのためにも、お子さんの視力の発達に注意しましょう。
遮蔽(しゃへい)法
弱視の眼やなりそうな眼は、使われないことで弱視が進みます。ですから、見にくくても弱視眼を無理をしても使うことで 弱視が進むのを防ぐのです。
よく見える方の眼を、1日数時間遮蔽して弱視眼を矯正的に使うようにします。基本は家の中で、保護者がいる時に行います。
[caption id="attachment_1115" align="alignnone" width="462"] 市販されている遮蔽法に使われる「アイパッチ」 出典:http://akiopt.lifelab21.com/i-patch.html[/caption]
弱視が改善したあとは、両眼で見えるようにするための訓練を行うこともあります。遮蔽法だけで、3歳までなら多くのお子さんが視力を回復します。6歳までに治療を行いましょう。
[caption id="attachment_1116" align="alignnone" width="240"] カラフルな「アイパッチ」[/caption]
[caption id="attachment_1117" align="alignnone" width="160"] ドイツで使用されているカラフルな「アイパッチ」 出典:http://akiopt.lifelab21.com/i-patch.html[/caption]
子どもの目の異常を見つけるには
お子さんが目がよく見えないことを表すサインを見逃さないようにします。
しぐさ
- ものを見る時片方、あるいは両方の目を細める
- 首を傾ける
- 顔を近づける
- 片方の目をかくすと嫌がる
目の外観の異常
- 両目が寄っている、あるいは別の方向にずれている
- 眼球が振動している
- 眼の大きさが左右で異なる
- 眼の表面や中が濁っているように見える
動作
- 反応が鈍い
- 疲れやすい
- 飽きっぽい
【子どもの目の発達についてはコチラ】
⦿⦿3歳児の子どもの視力はどれくらい?目が大人になる7歳までの注意点とは?
さいごに
斜視は子どもの2%に見られる代表的な病気です。
自分から目の異常を訴えることはほとんどありません。お子さんの目の異常を見つけるにはしぐさ、目の外観、子どもの動作をよく観察して早期に異常を発見して治療しましょう。
眼科検診のある3歳児検診を必ず受けて日頃から注意深くお子さんの様子をみましょう。
お読みいただきありがとうございます。
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参考 http://www.gankaikai.or.jp 日本眼科医会 http://www.skk-health.net/me/16/#chap2