緑内障にかかりやすい人の4つの特徴とリスクは?3つの治療法は?
近所の70歳台の知人は緑内障です。聞けば、20歳代半ばに「夜明かりがぼやける」と眼科にかかりましたが、特に異常はないといわれました。10年後、お茶を入れようと手元をみていたら、うまく急須から湯のみに入れることができずこぼしてしまい、不安になって眼科にかかりました。すると右目が緑内障になっていたそうです。しかもかなり症状が進んでいたとのことです。
緑内障は気づきにくい病気です。ならば、緑内障にかかりやすい特徴はあるのでしょうか。
緑内障にかかりやすい特徴
加齢
40歳台で発症している人は2%ですが、年齢とともに増えていき、70歳台では1割を超える人が発症しています。多くの緑内障はゆっくりと10年単位で進行するので高齢者ほど症状が出やすくなります。また、房水の出口にある線維組織が、加齢によって固くなり少しづつ目詰まりするようになります。
目が衰え始めるのは40歳台ですから、発症の確率も年を経るにしたがって上がってきます。
[caption id="attachment_1263" align="alignleft" width="409"] 出典:望月眼科[/caption]
眼圧
眼圧の高い人は、視神経にダメージを受けやすく発症のリスクは確実に上がります。ただし、日本人の場合は正常範囲内の人でも発症するケースが多いことがわかっています。つまり眼圧が正常範囲内だからといって安心はできません。
いずれにしても自分の眼圧がどれくらいなのか知っておくことが大切です。
強度の近視
近視の強い人は眼球が扁平で、軸が長い傾向にあります。軸が引っ張られていることで視神経も眼球を構成している組織もさまざまな刺激やダメージに弱くなると考えらえるのです。
家族に緑内障がいる
両親や兄弟などに緑内障の人がいると発症する可能性が高くなります。緑内障になる遺伝子がある場合、また近視のように眼球の形など目の特徴が似ていることで起こる両方が考えられます。
以上の4つの特徴にあてはまるなら、自覚症状がなくても注意です。複数ならさらに緑内障の可能性は高くなります。一度、眼科に行って「緑内障ではありません」といわれたからと言ってその後緑内障にならない保証はないのです。
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緑内障の検査方法
緑内障の診断には複数の検査を組み合わせて検査が行われます。
眼圧測定
目の中の圧力を測ります。目に風圧を当てる空気圧眼圧計による、簡易的な方法と、点眼麻酔をして角膜を圧迫して測る、詳細な方法があります。
眼底検査
眼球の中を調べます。瞳孔から光を当てて観察、撮影します。
網膜の血管の様子がわかるので目の病気だけでなく、高血圧や糖尿病、動脈硬化や脳の病気など生活習慣病の早期発見にも役立っています。
OCT検査(三次元画像解析検査)
目のCT検査です。網膜の断面の様子を立体的に撮影できます。視神経乳頭の変化がわかるので、より正確な診断の助けになります。さまざまなタイプの緑内障を発見することができます。また、ほかの目の病気の有無も見つけることができます。
[caption id="attachment_676" align="alignnone" width="510"] 出典:ファイザーHP[/caption]
視野検査
見える範囲や見えているところの感度を調べます。この検査で視野欠損が確認されると緑内障とほぼ確定できます。以下のサイトでチェックができます。
簡易版ノイズフィールドチェック ファイザー/40歳から要チェック http://www.ntg40.jp/selfcheck/
「眼科ドック」のすすめ
眼科ドッグで目の異常を早期発見することができます。
- 視力検査
- 屈折検査
- 精密眼圧検査
- 眼底検査
- 精密視野検査
- OCT検査
- 隅角鏡検査
様々な目の病気を的確に診断できます。また、高血圧や糖尿病、動脈硬化や脳の異常など目の病気意外にも全身の血管トラブルや傾向が身体に負担をかけない検査によって 早期の段階でわかるというメリットがあります。
緑内障の治療法
失われた視野は戻りませんが、進行を遅らせる、様々な治療が行われています。
薬を使う ~眼圧をコントロールする治療
緑内障の大半は眼球内を満たしている房水のバランスが崩れることでおこる「原発緑内障」です。
[caption id="attachment_1260" align="alignnone" width="240"] 原発開放隅角緑内障 出典:望月眼科[/caption]
[caption id="attachment_1259" align="alignnone" width="240"] 原発閉塞隅角緑内障 出典:望月眼科[/caption]
「原発開放隅角緑内障」「原発閉塞隅角緑内障」とも進行を食い止めるための、眼圧コントロールが治療の基本になります。
目薬による薬物療法
- プロスタグランジン関連薬 ~ 房水の流れをよくする
- β遮断薬 ~ 房水の分泌量を減らす
最初は1種類の薬からはじめ様子を見ながら作用の異なる薬を組み合わせて点眼を続けます。薬だけで効果が得られない場合はレーザー治療や手術を行うことになります。
レーザーで治す ~メスを使わず負担が軽い治療
入院が不要で、短時間の処置で高い効果が得られます。早期に発見された房水の流れが妨げられて眼圧が上がる「原発閉塞隅角緑内障」に対しては、「レーザー虹彩切開術」を行います。虹彩にレーザーで小さな穴を開けて房水の流れをスムーズにして眼圧を下げます。急性緑内障発作が起こった場合もこの治療が行われます。
「原発開放隅角緑内障」に対しては目詰まりをとり、房水の流れをよくする「レーザー線維柱帯形成術」も行われています。
レーザー治療は外来で受けられる処置で高い効果も得られます。処置にかかる時間は、約10~15分ほどで患者の負担が軽くすみます。
手術で治す ~症状が進んでしまった場合
症状が進んで、眼圧が下がらない場合は手術を行います。初期に自覚症状がない緑内障はかなり進行して眼科や病院を訪れる人が大半です。最も行われている手術は房水の流れを妨げている線維柱体を切除して新しい排出するところを作る「線維柱帯形成術」です。
手術は1時間ほどで終わりますが、1~2週間の入院が必要になります。術後は医師の指示に従います。
意識してできる予防法
緑内障を確実に予防できる方法はありません。
眼圧にかかる圧力をスムーズにするためには
- 身体を冷やさないようにする
- 代謝を高める生活をおくる
- 眉間にシワをよせない
目元に力が入っていると眼球にかかる圧力も強くなりひいては視神経の欠損につながりかねません。
まとめ
緑内障にかかりやすい特徴の加齢、高い眼圧、強度近視、家族に緑内障がいる人は、特に注意する必要があります。冒頭の右目が緑内障の人は、診断を受けるまで10年かかってしまいましたが、左目でカバーしながら生活を送ることができています。
緑内障と診断されても様々な治療法があります。自分の緑内障のリスクを知って早期発見することが大切です。それによって一生を見える状態のまま過ごすことも可能なのです。
お読みいただきありがとうございます。
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参考 http://www.gankaikai.or.jp/health/index.html 日本眼科医会 目の若返り超常識/主婦と生活社 目の病気/主婦と生活社 http://www.ntg40.jp/ファイザー 2014年多治見スタディ報告書/日本眼科学会