顔が大きいからメガネが合わない?大きいサイズを手作りでかけやすいのは「眼鏡ノ奥山」
1930年代から東京・江戸川で眼鏡を作り続けている「眼鏡ノ奥山」は、大きなサイズの眼鏡にこだわりのあるお店です。
大きな顔の人は既成のサイズでは小さくてメガネが顔に食い込んで長時間かけられないことも…
そんな人のためにセルロイドの手造りしている「眼鏡ノ奥山」をご紹介します。
あわせてこだわって素材にしているセルロイドの特長もまとめています。
大きい顔の人がメガネに困ること
知人にもちょっと太め、なのでお顔も大きめの人がいます。メガネをかけていますが、耳の上に跡がついてちょっと痛々しい…。
- 痛いので無理やり広げてメガネの形が変形し歪んでいる
- 顔の横幅に合わせて広げ過ぎてメガネのツルが反り返っている
- 稀にサイズがあっても似合わない、かけたいと思わない
大きいメガネで自分の気に入ったものを見つけるのは大変そうです。
サイズに困っている人のために
[caption id="attachment_2580" align="alignleft" width="300"] 型番: 049-BB サイズ: 眼鏡横幅 160ミリ レンズ横幅 57ミリ 鼻パット幅 18ミリ テンプル長さ 155ミリ 色: フロント 黒に近いダークブラウン テンプル 黒に近いダークブラウン[/caption]
大きなサイズに力を入れるようになったのは4代目の奥山留偉(おくやま・るい)さんが、お店を訪ねてきた人が持参していたメガネです。 どれも鼻部分のブリッジが折れていました。顔に合わないメガネを無理やり広げてかけていたからだといいます。
メガネはなぜ洋服のようにサイズが分かれていないのか、疑問に思い、特に友人の体の大きい人をベースに設計と試作を繰り返して販売を始めたそうです。
確かに、メガネは男性用、女性用、子ども用、ユニセックス、あるいは S やMと表記されている場合はありますが、L はあまり見かけませんね。それ以外見かけたことはありません。
大きな顔のひとは不自由なわけです。
「眼鏡ノ奥山」の特長
コンセプトは「丈夫で流行に左右されない美しさの追求」
- 流行や時代に影響されない、美しいといわれるフォルムの追求
- 作り手の作業効率を優先しない、本当に表現したいフォルムの探求
- 「最新技術と伝統技法の融合」への挑戦 ~継手眼鏡
- 長期間の乾燥を経たセルロイドを1ミリも無駄にしない
- 1930年代から続く、眼鏡制作が教えてくれたことは、「意匠を優先する」ということ
眼鏡の種類
ラージサイズ
オーダー制作のお顔の採寸から得た計測値を基に設計した大きいセルロイド眼鏡です。
・既製の眼鏡ではサイズが小さい
・眼鏡が顔に食い込んで長時間掛けられない
このような方にお勧めです。
継手眼鏡
日本家屋に採用されるネジ・クギを使用しない建築技法の継手を応用した眼鏡です。
・自分だけの形状、カラーパターンが欲しい
・セミオーダーで眼鏡を作りたい
このような方にお勧めです。
子供用眼鏡
「手造り品の質感を子供たちへ」をテーマに大人用の眼鏡と変わらず、頑丈に作りこんでいるインパクトのある子供用眼鏡を制作しております。
セルロイドの特性
「眼鏡ノ奥山」ではセルロイドを素材として眼鏡造りをしています。
セイルロイドとはどんなものでしょう。セルロイド人形、筆入れなどの小物ケースとして目にしたことがあります。
世界初のプラスチック
セルロイドは、世界最初のプラスチックで1856年にイギリスで発明されました。
1872年に「セルロイド」と正式に命名されています。繊維系のプラスチックの元祖とも呼ばれて象牙やべっ甲の代用品として開発された素材です。
ビリヤードボール、ピンポン玉やピックに使われていました。「セルロイド人形」も耳にしたことがあるかもしれませんね。
燃えやすく姿を消す
セルロイドは、その燃えやすく、170℃以上で自然発火することから火災事故の原因となることが多く、セルロイドは姿を消すことになるのが1950年代です。
製造や保管、その取扱いに注意が必要な素材なため取り扱う業者が減少して、大量生産は難しいものとなっています。また酸素や光などの影響で分解・劣化することから環境有害性も指摘されていました。
こうしてモノづくりの現場からセルロイドは姿を消したのです。
独特の艶と手触りと美しさ
ですが一方で、セルロイドにしか表現することができないその独特の美しさがあります。
硝酸セルロース(繊維)と樟脳(しょうのう)によってプラスチックとは一味違う風合いや奥行・光沢を醸し出します。美しい独特の色柄を再現することができます。
吸水性もあって粘るような触り心地があります。樟脳は、クスノキから抽出される植物由来の結晶です。
高級素材となったセルロイド
燃えやすい性質を持つセルロイドですが、ふだん使いのメガネや置物などの素材として使用する分には燃えることはありません。
セルロイドの製法は時間と手間がかかります。厚さのあるものを作るには1週間から2か月を有するほどです。
セルロイドを使った高級メガネフレームの場合は3年以上も寝かせた高強度なセルロイドが使用されることもあり、高価になるのはこのためです。
セルロイドでメガネを作るわけ
プラスチックフレームとして使われているのはアセテートで、セルロイドよりも柔らかく加工しやすくカラーも豊富です。また、素材自体が安いです。 一方、セルロイドは硬くて加工しにくく色のバリエーションが少なく、高価。
植物を原料にした合成樹脂であるセルロイドを使うのは、やはりアセテートと比べると、発色がよく光沢感があり美しいこと。
そして素材自体が固いためテンプル(ツル)に芯を通さずに作ることができます。
セルロイドは、ほかの素材にない綺麗さ、透明感を持っていることが「眼鏡ノ奥山」がセルロイドを使う理由です。
大きいサイズのこだわり
[caption id="" align="alignnone" width="300"] 特大のセルロイド眼鏡は職人の手作り[/caption]
量産品でよく見る横寸法は 135~140mm が主流です。
一方「眼鏡ノ奥山」の大きめサイズは 152~160mm です。
既製品が合わない人のために、性別ごとに独自に標準サイズを分けています。
注文の仕方と値段
●インターネットで注文する 眼鏡ノ奥山 楽天市場店 ●工房を訪ねて、その場で購入 (連絡の上)
大きいサイズ 価格: 1万8000円 (税抜)
セミオーダー 価格: 2万3760円 (税込)
- お名前掘り+送料無料+オーバーホール1回無料付き
- 自分の好みのメガネをカスタマイズできる
- 好きなフレーム + UV400カットマルチコートレンズ + 名前掘り
- レンズは使っているメガネを工房まで送る または 処方箋を送る
- 20営業日以内の発送、ヤマト便で届く
以下のフォームに希望の形と色、サイズを書き込み申し込む
- フロント型番 8種類
- テンプル形状 3種類
- フロント色 14種類
- テンプル色 14種類
- コメカミ間距離
- 耳先間距離
- フロント左右距離
- テンプル長さ
- テンプル曲げ寸法
【↑↑ご注文はこちらから】
制作工房 眼鏡ノ奥山 住所: 〒134-0081 東京都江戸川区北葛西4-13-24 電話: 03-3686-5344 営業時間: 10:00~18:00 定休日: 土・日曜定休 http://www.glasses-okuyama.com/ その他 カード可 アクセス/西葛西駅北口より徒歩10 分 ※来店時は要連絡 オクラ合同会社 眼鏡事業部 (オフィス) 東京都千代田区神田須田町2丁目9-1ウインクビル7F / 03-6687-0379 http://www.ruism13.com/order
さいごに
セルロイドで手造りメガネを作り続けている「眼鏡ノ奥山」。
一度注文するとその人のカルテを保存しているので、インターネットで最初はサイズなどはかる手間もかかりますが、次回からは便利ですね。
大きいサイズのリピート率は8割にものぼるといいます。中には相撲力士もいるそうです。(確かに力士は顔が大きい!テレビなどでたまに浴衣姿でメガネの力士もみかけます)
全国から注文が舞い込んで、3代目の奥山繁さんもともに眼鏡造りに忙しいようです。
お読みいただきありがとうございます。
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参考 https://dot.asahi.com/wa/2017050100072.html?utm_source=dlvr.it&utm_medium=twitter 週刊朝日 http://www.aelde.com/aelde/201602_98.aspx アエルデ